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スポーツカーに乗る人と見る人では考えている事が相違する説

  • 執筆者の写真: A K
    A K
  • 2023年9月12日
  • 読了時間: 8分

更新日:6月14日

街中でファンファンふかす車高の低いスポーツカー良く見ますね。乗ってる本人は周囲の人達はカッコイイと感じ注目を集めていると思っているます。が、それを見る人は短い距離で加速するのは危ないし騒音やめてくださいと思っている事が多いと思います笑。私も公道では明らかにオーバースペックで迷惑以外の何物でもないと思ってしまいます。

〇十万もするタイヤなんだけど、サーキットではすぐすり減ってしまうんだよね~。またダメになっちゃったよー。とうちの社長は自慢げにスタッフに話すんだよね。。。と勤めている友人から話を聞いた事がありました。その会社は待遇も良くはないのは知っていたので「そんな話を堂々とできるなんて、タイヤもだけどスタッフのメンタルもすり減らすの上手なんですねー」って教えてあげたら?と答えましたねー。


誰かのブランドに気付く場面でも、必ずしも好感を持っているわけではありませんが本人は嬉しいものです。

それ、〇〇だよね?(有名なブランドで素敵という意味で言う)

それ、〇〇だよね?(素敵とは思わないが知ってるからとりあえず言う)

どちらも、「それ、〇〇だよね?」だけなので言われた本人は褒め言葉に感じますよね。「それ、〇〇だよね?知ってるけど、あんまり素敵とは思わないんだよね、だせぇな」と秒で嫌われる発言は、正常な人間なら絶対言わないと思います。


ブランドにとって分かり易い「アイコン」があり、知名度があることは良いことで、それに気づいてあげる場面が多ければ多いほど本人の満足度を高めると思います。


「人から注目されたい人」と「自分の価値感のみを追求する人」となら、圧倒的に前者が多く感じます。自分の価値感のみを追求する人はブランドを選ぶ基準は自分自身にありますが、服飾などのブランドビジネスは前者に向けたものが広まり易い傾向にありますよね。個人的には”ロゴマーク”は好きではないのですが、違った表現でも構わないので”アイコン”はブランドビジネスにとって必須と思います。

日本の服飾の世界は”アイコン”がない状態で広まっていないデザイナーの方が多くいると思います。国民性もありますが主張しない事が美しいという美意識を持つ人もいて、ファッションのリテラシーが高くなるにつれて安易にわかりやすいモノ=下品と捉える人もいます。

とはいえ、大多数の方は気付いて欲しいと思っており、ブランド認知の為には”アイコン”は必要で、ロゴマークを作りワッペン、大きなプリントなどの安直な表現が好きではないので私もいつもこれを考えるのに苦労します。みんなに気づいて欲しいという顧客層との絶妙なバランスを保ってブランドは提案していると感じます。


【有名ブランドが高い土地にお店を構える理由】

誰もが知っている有名ブランドなんだから一等地にお店を構えなくても、お客様は来るから安い土地に大きくお店を作ればいいじゃないと思ったことはあるはずです。いやいや、あれは商品を売るための場所でもあるけど、「買えない人を増やす場でもある」という視点を論じる人がいました。

確かにね、お店に入っていきドやりたい成金、いつかドやりたいがまだ買えない人、を同時に作れるできる方法があれなのか、、、と思いますね。認知のしやすさの為のアイコン、希少価値はブランドビジネスにとって必ず必要なモノなんだなぁと改めて思いました。

【アートとデザインの違い】

私はアートはあんまり興味がないです。デザインは興味があります。アートを否定するつもりも全くありませんが、”必要な最小限で生きる”という生き方が性に合ってい為、アートの必要性が未だ理解できていないからです。

それぞれの定義は検索によると以下の様です。

【アート】芸術。美術。

【デザイン】設計。図案。意匠。また、製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画。


アートはそこまで興味がないので詳しくないですが、なんか子供の落書きみたいなモノに何億も価値があるとされているなんて、何が基準なんだ?まったく理解できないと思ってましたがアートには歴史の文脈を理解したうえで、このタイミングにこの作品を出すから社会的に新しいと評価されるとの事を論じる人がいて腑に落ちました。


現在はデザインという言葉は定義と実際の認識がずれていて厄介と感じます。実際の認識では何となく形が素敵とされるものが「デザイン」と捉えられていてデザインの定義が曖昧になりがちだと思います。服飾、インテリアの業界にはたくさんの”デザイナー”という肩書きの方がいます。ですが、実際にデザインをできる方はかなり少数と思います。辛口に言うと形をトレースしただけの、なぜこうしたのか?のない又は薄い自称デザイナーが多すぎると感じます。

特にアパレルやインテリアの業界は特に「デザイン」という言葉に広い解釈があるために定義が曖昧です。定義は「製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画」ですが、一般的には製品の機能か美的造形が片方あるだけでデザインと呼んでいる人が多いのだとある時に気づきました。


私は本来はデザインとは「社会の課題」を解決しつつ「意匠性が高い」状態で企画する事と考えます。

特に日本のファッションの世界ではヨーロッパのメゾンブランド、ハイブランドが提案した企画をアレンジした企画を発表することが一般的です。だから、トレースしただけでデザインとは言わないと思います。コンセプトが曖昧もしくは存在しておらず、社会の課題を解決していないモノは、”ただの布”であって「デザイン」されたモノではないと思います。


【ANT CHAIR / Fritz Hansen】

1952年にアルネ・ヤコブセンがデザインしたアントチェアは、「3本脚+人の2本脚で安定感のある機能を満たす」という独特のコンセプトをもとにデザインされているそうです。座面と背板が一体化した世界で初めての3次元成形合板で作られ、4本脚には見られない成型合板のシートと脚の美しいバランスが魅力の椅子です。デザイナーの死後、日本の家具の安全基準に合わせる為や安定感を出すために4本脚も作ったとか諸説あるデザインストーリーがあります。

1)座面と背板が一体化しており、背板に適度なクッション性がある。

2)テーブルに4脚配置した時には3本脚だと足がぶつかり合わず、おさまりがいい。

3)スタッキングができて何脚かあっても場所を取らない。

これはフォルムの美しさもさることながらデザインされていると感じ非常に感動しました。アントチェア、そしてアルネ・ヤコブセンのセブンチェアがこんなに世に広まった理由も納得です。 私も何気なく4本脚を使っていたのですが、デザイナーのストーリーをインテリア業界のレジェンドT会長に教えて頂いた時に、何だか気持ち悪くなり友人に4本脚のアントチェアを2脚ともあげて、新しく3本脚を買いなおしました笑。

【TURN / Ambientec アンビエンテック

こちらは最近のお気に入りです。私的には「照明の概念を変えた」デザインされた製品と感じています。LEDでタッチ式で4段階の明るさを調節できて、充電式なので持ち運べ、防水でもあります。

ライティングはインテリア業界では昔からあるジャンルですが、コードレスで灯りが欲しい環境へ柔らかな光を持ち運べる点が新しいと感じました。必ず必要なものではないとは思いますが、光は人間に大きな精神作用を起こすものでもあり、光を調節することで人間の心も調節できていると思います。まさに直感的に理解しやすいデザインに落とし込まれており非常に素晴らしいアイディアと感じました。

【消費者に届けるまでがデザイン】

インテリアもファッションも消費者に選んでもらい、分かり易く表現できていないものが多いと感じます。インテリアで言うとミッドセンチュリーに生み出された巨匠たちの家具を超えるモノはかなり少ないと思います。よく、デザイナーから物が売れないから売って欲しいと相談があります。そうですねー「売れたらデザイナーのおかげ。売れなかったら営業のせいですからねー。」と、私は笑って揶揄します。

しかし、理由は単純です。そう、必要ないから売れないのです。必要とされるデザイン=「社会の課題」を「意匠性が高い」状態で解決するというストーリーがないから売れないのです。

時代にはその時代なりの課題があり、その時代に必要だったから生み出され、デザインされて世に出てきた製品であるのだと考えます。なので現代においては歴史的な家具に対向するデザインを生み出すという考えではなく、家具xテクノロジーなど新しい解決方法でアプローチする事が2000年代のインテリア業界のあり方だと思います。

更にデザインの歴史を勉強するにはまとまった資料が少なくわかりずらいと感じます。私は現在アラフォーなので、社会に興味を持つ10歳くらいから約30年間のデザインに触れ、更に40年間さかのぼれば戦後のデザインの歴史を勉強できます。しかし、今の10歳の子供たちは70+これからの歴史約30年を学ぶ事でやっと同じ理解度になると考えます。今のデザインに関わる人達は”学んでから買え”的なマッチョな思考が強いと感じますね。それを学んでやっと価値をが理解できるというのはあまりにもハードルが高いと感じるので我々世代の説明不足、伝える努力不足。と私は思います。


【デザインとセールスの関係】

セールスが主な生業ですが企画もする私にとって、デザインが出来上がるまでの考察やコンセプトなど思慮の深さがあるプロダクトになっているか?がセールスが成功する8割の要素だと思っています。本来はデザインとしてプロダクトを生み出すモノの責任はそれだけ重く、必要のないものを安易に生み出すことはミニマルが好きな私の視点では悪と言っても過言ではないです。そして、セールスはストーリーを語り、消費者に届けるまでの過程をデザインする「流通のデザイナー」でもあると思っています。

1.アイコニックな要素がコンセプトとリンクしている。

2.デザイン=「社会の課題」を解決している。

3.「意匠性が高い」状態の企画となっている。

4.理想の流通のストーリーを構築できている。

これらが整った時は想像通りに売れてくれ嬉しく思います。

夏の終わりに課題を考えながら独立8年目突入の月に。


 
 
 

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